1. はじめに
音楽の世界には、私たちが普段あまり意識しない“秘密の響き”があります。それが倍音です。倍音を理解し、使いこなせるようになると、歌声は一層豊かに響き、楽器の音色は立体的で存在感のあるものに変わります。
「声がこもってしまう」「楽器の音が平坦に聞こえる」——こう感じたことがある人こそ、倍音を意識した練習が大きな効果をもたらします。
この記事では、初心者でも理解できる倍音の仕組みから、声や楽器での出し方、具体的な練習方法までを網羅的に解説します。最後には、倍音を活用できるレッスン情報もご紹介します。

2. 倍音の基本知識
2-1. 倍音とは?
倍音とは、ある音を鳴らしたときに生じる基音の整数倍の周波数を持つ音のことです。
例えば、A(ラ)の音が440Hzだとすると、その2倍(880Hz)、3倍(1320Hz)、4倍(1760Hz)といった周波数の音が同時に鳴っています。これらは意識的に聞き取るのは難しいですが、音色や響きに大きく影響します。
2-2. 倍音が美しい響きを作る理由
倍音が多く含まれる音は、耳に心地よく、豊かで深みがあります。バイオリンやサックスなどの楽器が人の心を惹きつけるのは、この倍音の成分が豊かだからです。逆に倍音が少ない音は、機械的で平坦に聞こえます。
2-3. 倍音を活かす音楽ジャンル
- 声楽・合唱:声を共鳴させて倍音を響かせることで美しいハーモニーを生む
- ホーミー(モンゴルの喉歌):倍音を強調し、1人で2つの音を同時に響かせる伝統技法
- 管楽器演奏:オーバートーンを利用して音域を広げる
- 尺八・篠笛:息の角度で倍音を操る
3. 声で倍音を出す方法
3-1. 呼吸法がカギ
倍音を出すためには、安定した息の流れが必要です。腹式呼吸を身につけ、息を途切れさせず、まっすぐ送り続けることが重要です。
3-2. 共鳴腔を意識する
声は喉だけでなく、口腔・鼻腔・咽頭で響きます。これらの空間の形や広さを変えることで倍音の出方も変化します。特に、鼻腔への響きが加わると、声が前に飛びやすくなります。
3-3. 舌・口の形の工夫
舌の位置や口の開き方で倍音を強調できます。
- 「ウ」→「イ」に母音を変えると倍音が分離しやすい
- 舌を軽く持ち上げることで特定の倍音を強調できる
4. 楽器で倍音を出す方法
4-1. 管楽器(サックス・トランペットなど)
オーバートーン練習が効果的です。ある運指で基本音を鳴らし、息のスピードや口の形を変えて高い倍音に移行します。
4-2. 弦楽器(ギター・ヴァイオリンなど)
ハーモニクス奏法を活用します。弦を軽く触れて弾くことで、特定の倍音が強調されます。
4-3. 和楽器やフルート
息の角度やスピードを微調整し、音の成分を変えることで倍音が際立ちます。
5. 倍音練習法(初心者〜中級者)
5-1. 声の倍音練習
- 「ウー」と低めの声を出す
- 口の形を「イー」に変えながら響きの変化を感じる
- ハミングで鼻腔に響きを集める
5-2. 楽器の倍音練習
- 音階を倍音で吹く/弾く
- ロングトーンで倍音の揺れを感じる
5-3. アプリやチューナーを活用
スマホのスペクトラムアプリで倍音を可視化すると、耳と感覚がリンクしやすくなります。
6. 倍音を響かせるための環境作り
- 音が反射する壁や天井を利用
- 吸音材が多い部屋では響きが減るため注意
- 録音してセルフチェック
7. 倍音の応用テクニック
- バラードで声の倍音を強めて温かみを出す
- ソロ演奏で倍音を使って音を太く聞かせる
- 作曲時に倍音を意識してコードを組み立てる
8. 倍音を学べるレッスン紹介
倍音を意識的にコントロールするには、専門的なフィードバックが不可欠です。
特に、京橋にある「HOOK LUCKエンターテインメント」では、ボイトレや楽器レッスンの中で倍音を活用した発声法や演奏法を学ぶことができます。
- ボイストレーニング:共鳴の使い方、声の倍音強化
- 楽器レッスン:ハーモニクスやオーバートーンの習得
- 初心者〜プロ志望まで幅広く対応
9. まとめ
倍音は音楽に深みを与える魔法の要素です。声でも楽器でも、正しい体の使い方と意識によって倍音は誰でも出せるようになります。
今日から、呼吸法・共鳴腔・舌の位置・息のコントロールを意識し、倍音の世界を探求してみましょう。
倍音についてもっと知りたい、身につけたい、という方はHOOK LUCK エンターテインメントのボーカルレッスン体験にお越しください。第一線で活躍しているプロがあなたのレベルアップに貢献させていただきます。
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